いわゆる「オヤジ狩り」という言葉の意味をご存知の方は多いと思います。
会社からの帰り道、中年の男性が避けに足元をふらつかせながら歩いていると、電柱の陰などから突如現れたチンピラなどに脅され、殴られ、最悪の場合は半殺しにされて、有り金を全部巻き上げられてしまうというアレです。
似たような言葉に「援交狩り」という言葉があるそうですね。
こちらはご存知でしたか。
哀れな男性がチンピラに暴力を受け、有り金を全部巻き上げられてしまうという最終的な結果はよく似ています。
しかしこちらの場合は、男性がトラブルに巻き込まれるシチュエーションが違うのです。
援交狩りとは要するに、援助交際をやってみたいと考える男性をターゲットにして繰り広げられる「狩り」です。
具体的に、どういった手口が用いられるのでしょうか。
これから出会い系サイトを利用しようと考えている人にとっても、少なからず参考になる部分が多いかと思われますので、典型的な例を一つ、紹介します。
後に援交狩りの被害者となってしまう哀れな男性が、出会い系サイトを通じて、とある女性と知り合います。
メールなどのやり取りを重ねる中で、その女性とは共感できる部分が非常に多く、驚くほどのスピードで親密になっていきます。
と言いたいところですが、親密な関係になっていると思えたのは、あくまで男性による一方的な勘違いだったのです。
それはさておき、親密になった二人の間で、デートの約束が交わされます。
ここまでの流れがあまりにもスムーズなので、「なんだ、出会い系サイトを使って女と会うことなんて、ちょろいもんだな」と、男性は一人でほくそ笑みます。
数日後、自分がどんな目にあうかも知らないで。
いざ、デート当日、女性から「ドライブに行きたいな」というリクエストがあったため、男性は張り切ってレンタカーを手配し、少し遠出をします。
すっかり興奮しきった男性の耳には、女性からかけられる言葉の内容など、ほとんど入ってきません。
そして、適当なパーキングエリアを見つけて車を止め、二人で食事でもしようかという話の流れになるのですが、駐車場に入り、車を止めた直後から、いかにも怖そうな男たちが数人、まるで車を取り囲むようにして詰め寄ってきます。
何かがおかしいと感じた時にはすでに手遅れ。
ドアを開けるなり、あるいは乱暴にガラスをたたくなどして、男性たちが脅しかけてきます。
観念して男性がドアを開けたが最後、その場で無残に暴力を受け、価値のあるものはすべて奪い取られます。
その時、最後の気力を振り絞って女性に目を転じた男性は、おそらく正気を疑うでしょう。
本来ならば自分と同じように暴力を振るわれているはずの女性が、何食わぬ顔で男たちと言葉を交わし、笑っているのです。
そうです、もうお分かりでしょう。
この女性とチンピラ達は、初めからグルなのです。
デートの約束でどこへ向かうか、ということをあらかじめ女性からチンピラに伝えておき、女性から連絡が合ったパーキングエリアでターゲットの車を待ち伏せ。
さらに、なにも知らない男性に対して容赦なく暴力をふるい、報酬は山分けにするという手筈です。
そんな話が本当に上手くいくのかよ、という人もいるでしょうが、これは実際に起こった事件の一例であり、地方紙などを見れば記事にもなっています。
出会い系サイトを通じて知り合った女性からデートのお誘いを受ければ、喜んで承諾するのが男性の心理です。
もともと、そういう出来事が自分に起こることを望んで、出会い系サイトを利用しているわけですからね。
まさか初めから女性に騙されているとは疑いもせず、甚大な被害に遭ってしまうのです。